~消滅時効の援用で失敗しないために知っておきたいこと~
業務内容やサラ金・消費者金融との関係性など、債権回収会社(=サービサー)の基本知識や時効の扱いについて解説します。
債権回収会社とは、金融機関などから債権の管理回収を委託されたり、債権を買い取って回収したりする企業。
民間企業ですが、法務大臣の許可が必要で、「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」という法律に則って業務を行っています。
原則的に個人の債権を扱うことはなく、主に以下のような債権を取り扱っています。
また、企業要件としては以下を満たしている必要があります。
もともと債権回収業務は弁護士だけに許可されていたのですが、バブル期の不良債権処理といった必要性もあって、先述の法律ができたというわけです。
母体企業は銀行や消費者金融、投資ファンドをはじめ、政府系など様々ですが、親会社の債権を子会社として回収するというスタンスが一般的です。
時効の援用が利用できるほど長期にわたって滞納している債権は、金融機関から債権回収会社に債権譲渡されるケースがよくあります。
この場合でも、債権譲渡されただけなら時効の進行には影響ありません。
ただし、債権譲渡されたタイミングで債権回収会社から請求が来ることはあるので、見慣れない会社からの請求に対して支払いをすると時効期間がリセットされてしまいます。注意してください。
なお、上でも触れたように債権回収会社が扱っているのは借金だけではありません。飲食店のツケだったりレンタル料金や給料など、多種多様な債権を扱っていて、それぞれ時効までの期間は異なります。
債権回収会社は、信用情報機関に加盟していません。よって、債権回収会社が信用情報機関に情報を共有することはありません。
ただし、債権回収会社に債権譲渡をした、という情報は、債権者によって信用情報機関に報告されています。
多くの消費者金融やクレジットカード会社は、回収が難しいと判断される債権の場合、督促業務に時間をかけずそのまま債権回収会社に譲渡するケースがよくあります。
つまり、回収が難しく債権譲渡になった情報は記録として残るため、債権回収会社に債権譲渡された事実が信用情報に影響を与える可能性はあると考えられます。
債権回収会社に債権が渡るということは、回収が難しい金融事故として記録される、いわゆるブラックリストに載っている状態ということになります。債権回収会社と信用情報機関に関わりはなくても、債権譲渡から5年は記録が記載されます。
つまり、債権回収会社に債権が譲渡されている状況では、あらたな借り入れは難しいと考えるべきです。
ちなみに、金融業者が営業を継続できなくなった場合も信用情報に記録されますが、個人のネガティブな情報として扱われるわけではないため、借り入れに影響を与えることはありません。
国内の主な信用情報会社は以下の3つで、情報の記録や時効援用時の対応はそれぞれ異なります。
JICCは、主に消費者金融業者が加盟している信用情報機関です。加盟業者はJICCに登録された信用情報を照会し、延滞などの事故情報がないかを調べることができます。よって、JICCに事故情報が登録されていると、借入やクレジットカードの利用が難しくなります。
時効援用の情報がJICCに報告されると、その情報は時効の起算日にさかのぼって「完済」として登録されて、事故情報が抹消されます。
消費者ローンや割賦販売などのクレジット事業を営む企業が加盟している信用情報機関です。時効が成立すると、残高が0、終了状況は完了と記載されます。
時効成立後、数ヶ月で事故情報が消えたり抹消されたりするケースもありますが、あくまでも例外であり原則的には「保有期限」に5年後の日付が記入され、その日まで事故情報が残ります。
一般社団法人「全国銀行協会」が運営している個人信用情報機関です。KSCの場合、時効援用を行っても特定の状況に依存します。銀行カードローンの長期延滞が発生した場合、保証会社による代位弁済の情報が事故記録としてKSCに登録されるからです。
これらの情報は、登録から5年間は保有されるため、時効援用を行った場合でもすぐに消えるわけではありません。
債権回収会社は信用情報機関に加盟していないため、債権回収会社に時効援用を行っても悪影響を与えることはありません。債権回収会社に委託した金融機関が加盟する信用情報機関によって異なりますが、時効援用後、たとえ借金が残っていたとしても、時効援用後は1~5年後に抹消されます。
もし債権回収会社から督促の通知が届いたら、まずその通知が本物かどうか、時効になっていないかを確認しましょう。
督促書の中には架空請求のような詐欺まがいのものもあります。急な通知が届いたら、内容を慎重に確認しましょう。その督促書が本物であり、かつ身に覚えのある借金の場合、時効の可能性を検討することができます。
借金は、たとえ時効の期日を迎えていても、債務者本人が時効援用の意思表示をしない限り消えることはありません。
ただし、債権者にも時効を中断する権利があります。借金を支払うつもりがある、という意思を示した場合、借金があると認めたことになり時効の中断が成立してしまうのです。
債権回収会社から督促の連絡が来た際に、「いついつまで待ってほしい」「利息分だけは支払う」などと答えてしまうと、時効援用ができなくなる可能性があります。
時効援用を行いたいと考えているなら、発言は慎重に行いましょう。支払いに関する一切の受け答えを避けて、速やかに専門家へ相談することをおすすめします。
代表弁護士:田中 健太郎 先生
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