~消滅時効の援用で失敗しないために知っておきたいこと~
借金には時効がある!
法律で決められた時効期間をすぎれば、「時効の援用」という手続きをすることで、借金の返済義務をなくすことができます。「時効の援用」とは時効の完成によって、利益を得る人(債務者)が、時効の完成を主張することです。手続きについてある程度の知識は必要ですが、最近は検索すればすぐに情報が手に入りますし、手続きをすべて代行してくれる機関もあります。古い借金の返済に困っている方は、ぜひ時効の援用手続きを検討してみてはいかがでしょうか。
借金が時効になっているかを検討するには、最終返済日がいつなのかが重要になります。ここでは、最終返済日がわからないという人に向けて、最終返済日の調べ方をはじめ、知っておきたい時効の更新や時効成立前に時効の援用を行なうリスクなどについてまとめました。
個人の借金の利用や返済履歴などは、信用情報機関にインターネットや郵送で開示請求することで確認可能です。信用情報機関には銀行系・クレジット会社系・消費者金融系の3つがあり、債権者がどこに加盟しているかによって開示請求する場所が異なります。
債権者がどの信用情報機関に加盟しているかは、各信用情報機関の公式HPに掲載されている会員一覧をご参照ください。ただし、債権者が信用情報機関に加盟していなかったり、借金が債権回収会社に譲渡されていたりする場合だと、信用情報機関への開示が難しい場合があります。
債権者からの督促状があれば、最終返済日が記載されていないかを確認しましょう。最終返済日が記載されていれば、時効が成立しているかどうかを計算できます。
弁護士や司法書士などの専門家に依頼することで、弁護士や司法書士から債権者に取引履歴の開示請求を直接行なうことができます。ただし、債務者自身が債権者に連絡してしまうと、債務を承認したとみなされてせっかくの時効が更新されてしまう可能性があるため、債権者とのやり取りは弁護士や司法書士を通して行なうようにしましょう。
借金の時効を成立させるには、最終返済日から5~10年が経過していなければいけません。ただし、最終返済日から5~10年経過していたとしても、時効の期間が途中で更新(中断)されていたことで、当初の時効を主張できない可能性があります。これを民法で「時効の更新」といい、時効が中断されるのは次の3つのいずれかに該当する場合です。
債務者による権利(債務)の承認とは、借金の一部返済をはじめ、債権者に対して支払い猶予願いや支払い金額の減額交渉を行なった場合があげられます。債権者からの電話や自宅訪問などでこれらの行為を行なってしまうと時効がリセットされてしまうため、注意しましょう。
時効の援用の手続きをするには、内容証明郵便で時効援用通知書の送付が必要です。ただし、時効援用通知書や内容証明郵便には債務者の名前と現住所を記載しなければいけないため、債権者に現在の住まいを知られてしまいます。時効が成立していない借金だと、債権者に現在の住まいを知られることで取り立てが再開したり裁判を起こされたりする可能性があります。
時効が成立していないのに時効の援用を行なってしまうと、債務を承認したとみなされて時効が更新されるリスクがあります。時効がリセットされると時効の成立までにまた5年や10年待つ必要があり、借金問題にずっと悩まされなければいけません。
最終返済日が分かったとしても、借金の消滅時効を主張できるかどうかは借入の時期や内容、時効の更新などによって判断が難しいところがあります。また、借金回収のプロである債権者に個人が立ち向かうのは難しく、最悪の場合だと不用意な言動で、消滅時効を主張できた借金が復活してしまいかねません。
借金が時効を成立しているかの判断をはじめ、時効の援用の手続きや債権者とのやり取りなどを行なうには、法律の専門家である弁護士や司法書士に相談するのが安全です。時効の援用が難しいケースでも、借金問題を解決へと導く債務整理のアドバイスを受けることができます。
特集!時効の援用でまず相談したい頼れる専門機関リスト
弁護士費用 1社3万9,800円(※1)
弁護士費用 1社または2社の場合 11万円
※価格は、2021年10月の情報です。
※1.公式HPで価格の記載を確認できませんでした。