借金を整理!やさしくわかる時効の援用 » 借金の滞納・未払いとその時効について » 家賃

家賃

賃貸物件の家賃を滞納した場合、どのようなことになるのかを調べてまとめました。また、家賃が時効となる期間に関しても解説します。

どうなる?家賃滞納・未払いを放置した場合

家賃の支払いを滞納すると債権者からは以下のようなアクションを起こされるのが一般的です。

  1. 支払日
    賃貸物件の家賃は毎月月末といったように支払日が決まっていますが、自動引き落としが義務付けられているわけでもないので、数日遅れることはよくある話。滞納した場合、数日後に管理会社や大家から電話がかかってくるのが一般的です。
  2. 督促状
    家賃の滞納が続いたり、連絡がとれない状況が続くと内容証明で督促状や契約解除予告状が届くことがあります。事態を悪化させないために、滞納の理由や支払いの目処について相談してみることです。
  3. 直接訪問
    電話や書面でも事態が進展しない場合、管理会社や大家が直接部屋に訪ねてきます。これは催促の意味もありますが、夜逃げしていないか、トラブルが起きていないかなどの確認の意味もあります。
  4. 連帯保証人
    本人が滞納を続けた場合、賃貸契約書の連帯保証人に連絡がいきます。
  5. 契約解除
    契約内容、管理会社や大家の方針にもよりますが、家賃滞納が2~3ヶ月継続すると契約解除および明け渡し請求という書類が送られてきて、契約解除されることになります。
  6. 強制退去
    裁判所に訴えられた場合、家賃滞納は3ヶ月までなら強制退去する必要はないという判決もあるのですが、それを過ぎると強制退去もしくは契約解除させられても仕方ありません。

滞納した家賃の時効の成立条件

家賃滞納期間が5年を過ぎている

アパート、マンション、店舗などは、借りたら家賃や賃料を支払わなければなりません。ただ、家賃や賃料にも時効があり、その期間は5年です。家賃は民法169条「定期給付債権」に該当し、5年経過すると借主は「時効だ」と主張できます。

定期給付債権とは 1年以内、一定の時期、一定の金銭を支払わせることが目的の債権です。しかし貸主が5年間権利を行使しないと消滅すると定められています。

※参照元:e-GOV法令検索/民法第169条(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

時効成立までの5年間家賃を支払っていない

家賃の時効は5年ですが、成立まで借主が一切家賃を支払わないと成立しません。もし5年間の中で1度でも家賃を支払っていたら、その一度の時点で時効は中断されます。時効のカウントダウンはリセットされ、0から数え直されます

貸主が5年間家賃の回収手続きをしなかった

貸主は定期給付債権を持っていますが、 5年間権利を行使しないと消滅します。権利の行使は、滞納された家賃回収のための手続きで、督促や内容証明郵便の送付、裁判や差し押さえをするなどが努力にそれにあたります。貸主がなにもしないと定期給付債権が消滅するために時効が成立する流れです。

さらに時効の援用を主張しないと成立しない

借主は家賃を滞納して5年以上、貸主も定期給付債権の権利を行使せず5年以上経過しても、時効の援用をしないと時効は成立しません。時効の援用は、時効が成立して利益を受けるものが「時効が成立した」と主張することです。その際、裁判はしなくても成立します。

不動産の貸主が時効を阻止することもできる

訴訟や調停

家賃を滞納している借主に何度督促しても一切支払ってくれないケースもあるでしょう。その場合、債権回収をするには、訴訟や調停が有効です。貸主が訴訟や調停をすると滞納家賃の事項は一時中断されます。

注意したいのは口頭や書面だけだと時効が中断しない点です。裁判を通して請求し、借主に支払義務があると認められると時効期間は10年に伸びます。ただ、時効の援用が二度とできないわけではありません。再びカウントダウンをはじめて10年経過すれば成立するため、貸主は注意が必要です。

支払義務の承認

家賃を滞納した借主が「わかりました。家賃を支払います」といったら時効は中断されます。これは 債権承認という行為で、借主が家賃の支払義務があると認めた時点で成立するのです。その時点からスタートした5年が再度時効期間の対象となり、滞納家賃についてなんのアクションもなければ時効の援用を利用可能になります。

裁判をして差し押さえ

家賃を支払わないと裁判を通して差し押さえが可能です。差し押さえの裁判をするなら「財産がなかった」という状況にならないよう、財産調査が必要です。財産があるなら裁判所に対し、差し押さえの申し立てを行います。

申し立てをして裁判所の許可があってはじめて差し押さえが可能になります。裁判を通さずに勝手に差し押さえをするのは犯罪なので、注意してください。

家賃の滞納問題に関して知っておきたい専門用語

裁判上の請求

 

裁判上の請求とは、 民事訴訟での訴訟や調停を起こすことです。家賃の滞納が5年続いて時効の援用を主張するとしても、貸主が阻止するとして、裁判上の請求が必要です。裁判上の請求も行わずに、たとえば貸主が勝手に借主の家にいき、財産を勝手に持っていくのは許されていません。裁判上の請求という手続きが必要です。

差し押さえ

差し押さえとは、借主である債務者に対し、貸主である債権者が裁判を通して行う手続きです。差し押さえをされると債務者はたとえ自分の財産であっても、勝手に処分や人に譲ることはできなくなります。給料や銀行口座も差し押さえられて、一定の金額を残して回収された金額が債権者へ支払われる流れです。

特集!時効の援用でまず相談したい頼れる専門機関リスト

東京スカイ法律事務所

弁護士費用 1社3万5,000円

  • ・借金問題の解決力に定評がある
  • ・対応スピードが早く、口コミ評判も高い
  • ・24時間365日相談を受け付けている
公式HPで詳細を見る
アディーレ法律事務所

弁護士費用 1社4万4,000円~

  • ・所属弁護士が約140名の大手事務所
  • ・債務整理依頼者の顧客満足度97.5%
  • ・Pマークを取得して個人情報保護を徹底
公式HPで詳細を見る
ふづき法律事務所

弁護士費用 1社3万9,800円(※1)

  • ・時効の援用に関する弁護士費用が明瞭かつシンプル
  • ・借金に関連する電話相談は何度でも完全無料
  • ・実質初期費用0円で債務整理に対応
  • ※公式HPで価格の記載を確認できませんでした
公式HPで詳細を見る
自由が丘法律事務所

弁護士費用 1社または2社の場合 11万円

  • ・債権者数別にきめ細かく費用を設定
  • ・最長18ヶ月までの分割支払いに対応
  • ・個人や中小企業を対象とした身近なトラブルに強み
公式HPで詳細を見る

※価格は、2021年10月の情報です。
※1.公式HPで価格の記載を確認できませんでした。

借金が消滅する?
時効の援用とは
借金の返済義務を無くすことができる手続き、時効の援用についてまとめているカテゴリーです。
時効援用の方法
~知っておきたい
3つの手続き~
時効の援用手続きには、大まかに分けて以下のような3つの種類があります。それぞれ詳しくまとめてみました。
消滅時効の援用を代行してくれる専門機関まとめ
貸主対応や失敗のリスクなど、時効の援用につきまとう不安を回避できる相談先を紹介。
借金の滞納・未払いとその時効について
借金の種類ごとに、未払い・滞納を放置するとどうなるか、どのくらいで時効になるか、解説しています。
無視して大丈夫?債権回収会社のキホン知識
債権回収会社とは何なのか、督促状などが送られてきた場合どう対応すべきか、まとめてみました。
弁護士と司法書士の違いとは?
時効の援用について、弁護士と司法書士に依頼できる内容や範囲の違いを分かりやすく解説。