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国民健康保険

国民健康保険を滞納するとどうなるのか?国民健康保険の滞納に時効はあるのかなどについて解説します。

国民健康保険(国保)に時効はある?

国民健康保険(国保)にも時効はあります。国民健康保険は保険料方式と保険税方式があり、一般的に自治体は保険税方式を採用しています。保険料方式と保険税方式の違いは、時効期間と滞納処分の優先順位です。

国民保険料の消滅時効が2年、国民健康保険税の時効は5年と決められています。ただ、国民健康保険の消滅時効を満たすのは簡単ではないです。督促状の送付もありますし、分割払いをしているなら、時効のカウントは中断されるからです。

たとえ時効を迎えても滞納額の支払いを求められます。基本的に、督促状が届く、送られているなら時効は進みません。実質的に、時効条件を満たすことはできないでしょう。

国民健康保険(国保)の滞納から差押えまでの流れ

国民健康保険を滞納して、すぐに給与や銀行口座が差押えられるわけではありません。次のような過程や手続きを経たあと差押えとなります。

  1. 国民健康保険料を未納
  2. 電話や書面での催促
  3. 役所から分割払いその他支払い方法について相談を提案される
  4. 来所依頼に応じなければスタッフによる訪問と分割払いの提案がされる
  5. 提案に応じなければ身辺調査や財産調査をされる
  6. 差押え執行通知書が届く
  7. 強制執行による差押え

1回でも支払わないから差押えというわけではありません。多くの場合、まず役所から分割払いの提案をされます。応じれば、毎月、少しずつ支払う形で収まるでしょう。

分割払いを続けている限り差押えはありませんが、役所からの提案を蹴れば話は別です。そのまま支払いに応じないと差押え手続きがスタートします。

通常、金融機関で返済滞納があれば裁判所で訴訟手続きが求められます。しかし、国民健康保険料、国民年金保険料、住民税は訴訟もなく差押えが可能。滞納から差押えまでの期間は役所ごとに判断が違います。

国民健康保険(国保)を滞納するリスク

国民健康保険を滞納するリスクは小さくないです。税金の滞納と同様にペナルティがあります。

  • 延滞金
  • 保険証が使用できない
  • 差押え

返済日を守らず滞納すると延滞金が発生します。延滞金は計算式【滞納料金×延滞金利率(年率)×延滞日数÷365日】で算出。ただ、延滞金利率は管轄で変わるため、最寄りの役所で確認してみてください。

また、滞納をすると保険証が使えません。保険証の代わりになるものは発行されますが、そのうち保険が適用されなくなります。ケガや病気で通院する場合、医療費は全額自己負担となります。

それでも滞納を続ければ、最終的に差押えが待っています。法律上は督促状の発行日から10日経過しても保険料の納付がないと、差押え自体は執行可能となっています。現実的にむずかしいため実行されないだけで、自治体もその気になればいつでも差押えられるのです。

国民健康保険(国保)を滞納している際の行政の対応

滞納期間1年未満

滞納期間が1年未満なら市区町村から通知書や電話で「納付してください」と催促されます。無視すると短期被保険者証という、有効期限が短い保険証が交付されるのです。有効期間は3ヶ月~6ヶ月程度。その都度、支払いの確認があります。ただし自治体で対応は異なるため、各自、役所で確認してみてください。

滞納期間1年以上

滞納期間が1年以上だと短期被保険者証の返還が求められ、代わりに被保険者資格証明書が交付されます。被保険者資格証明書は通常の保険証と違い、まず窓口で全額負担しなければなりません。後で申請を通じ、自己負担分以外を支給してもらう仕組みです。

しかし通常自己負担分以外は戻ってきません。理由は 滞納保険料と相殺されるからです。

滞納期間1年6ヶ月以上

滞納し1年半ほど経過すると保険給付は実質ストップします。病院で治療を受ければ医療費は全額自己負担となり、還付されるお金の約7割は滞納分に充てられます。

催促に応じない場合

滞納を続けて保険証も使えなくなるといよいよ厳しい状況に追い込まれます。とくに役所から差押え予告の通知書が届けば崖っぷちです。市区町村の職員から督促も来ますし、給付してもらうための相談を求める連絡が何度も来るでしょう。それでも無視しているといよいよ差押えです。

財産の差押え処分を受けると、口座が凍結され自由に引き出せなくなります。給与も差押えられる状況です。ただ、すべての財産が差押えられるわけではありません。滞納額で違いますが、一般的には1/4までの預金と給与です。

不動産や不動産以外の財産である、自動車や美術品や家具などの動産を回収して換金するのも額費用がかかります。優先順位としては、預金や給与をまず差押えられるほうが現実的です。ちなみに国民健康保険の滞納料は、行政への借金のために裁判もなくいきなり差押えられます。

国民健康保険(国保)を支払えない時はどうするべき?

保険料の軽減

国民健康保険を支払いたくてても、経済状況次第ではむずかしい方もいるでしょう。しかし放置すればするほど、差押えが迫り、状況は悪くなるばかりです。そうなる前に役所に相談したほうが無難です。行政の担当者によって、国民健康保険の滞納分を分割したり、減免してくれたりする可能性があります。

保険料の減免を受けられるかどうかは条件次第です。

  • 世帯所得の合計が基準額以下になる
  • 倒産や解雇で非自発的失業者になる
  • 災害で被災した
  • 給付制限にあった

上記は大阪市の減免条件です。他にも後期高齢者医療制度創設に伴う減免、拘禁による減免、新型コロナウイルス感染症による減免などもあります。自分に当てはまるかどうかチェックし、市区町村の担当者に相談してみてください。

保険料の減免

保険料の減免の中に災害で被災した場合という内容があります。具体的には、震災、風水害、火災などです。倒産や廃業、営業不振や退職などでは、所得が大幅に減少した場合、減免制度を満たせる可能性が高いです。

所得が減少した方の場合、所得割合で減免率が変わります。たとえば所得減少率が100%なら減免率は100%。そこから90%以上100%未満なら90%、30%以上40%なら40%に変わります。

国民健康保険料の税額

国民健康保険料の税額は、前年所得と住んでいる市区町村で変動します。世帯で加入している場合、人数が変わると税額も変わります。

保険税の税率が変わることで税額が変わる場合もあります。住居に関しては、2018年から国民健康保険が都道府県の運営になったことが影響しており、各市区町村が国保加入者の医療費を元に税率を決定しています。地域次第で1.4倍の差が出ているのが現状です。

また同じ都道府県だとしても市区町村で保険料が違う点にも注意してください。

まとめ

国民健康保険は滞納しても得はありません。むしろ状況が悪化し、保険証が使えない状況で病気になり病院で治療を受ければ、とんでもない金額を請求されるケースもあります。放置すれば差押えもあるのですから得はないでしょう。

時効はあっても督促は来るためカウントは進まず成立しません。借金があり、国民健康保険まで支払える経済状況ではないなら、専門家に相談することをお勧めします。債務整理により借金を大幅に減らせる可能性があるからです。

経済的状況が軽くなれば国民保険料も支払えます。放置するよりも現実的で明るい未来が開ける方法です。

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