~消滅時効の援用で失敗しないために知っておきたいこと~
時効の援用を行ってしまうと「フラット35」の審査を通る事が難しくなってしまう可能性があります。
その理由として、援用完了ということで【返す必要】は無くなりますが、借金そのものは残っていると捉えられてしまう事があるためです。
ローン会社・銀行などがこのような考えを懸念し、以下の理由からフラット35の審査に落ちてしまうかもしれません。
時効の援用によって返済義務が消滅したとしても、借金を完済していない事実は消えません。債権者側がこのように考えることで、時効の援用を行った債務者の情報を信用情報機関に残したままにする可能性があります。
援用完了とともに事故情報を削除するかは債権者の裁量です。削除してもらえなかった場合は事故情報登録から約5年は記録が残り続けます。
もちろん事故情報のある人に住宅ローンは提供できないので、フラット35の審査には通りません。信用情報機関に登録されている情報は手続きによって開示・確認が可能です。時効の援用を行ったことがあるなど、
事故情報が記録されている可能性がある方は、フラット35の審査を申し込む前に開示請求をしたほうがよいでしょう。
ローン会社や銀行では、加盟している信用情報機関に登録した事故情報とは別に、借金の延滞や時効の援用を行った人の情報をブラックリストとして自社で管理しています。
自社で管理しているブラックリストは半永久的に削除されません。時効の援用をした事のある金融機関でフラット35の借入を希望しても、審査を通過することはあり得ないでしょう。
わざわざ時効の援用を行った金融機関で審査を申し込まずに、時効の援用をしたことのない金融機関を利用してください。
情報は少ないですが、金融機関のブラックリストに登録されていても、フラット35の審査を通過することがあります。どのような理由で審査が通過したのかを解説します。
過去に時効の援用を行っていても、自己資金の比率が高ければ、フラット35の審査をクリアできる可能性が高まります。
金融機関は建物と土地を担保にできるので、残りの支払いのための資金を貸し出すリスクは低いと判断します。
例えば、審査を通過した事例では「借入比率25%」でした。物件購入費や建築費のうち、住宅ローンで支払うのは全体の25%で、残りの75%は自己資金でした。
金融機関は債務者の自己資金から現在の返済能力を判断し、審査を通したのでしょう。
上場企業に勤務している人は、年収が高く将来にわたって安定する傾向があります。過去に時効の援用を行っていても、勤め先からの収入に関しては例外ではありません。
住宅ローンの審査では、収入に対する返済額の割合を示す「総返済負担率」が重視されます。
フラット35の総返済負担率の上限は、年収400万円未満の場合で30%、年収400万円超の場合で35%です。
収入が多いほどで総返済負担率が下がるため、審査が通過しやすくなります。
自己資金を確保でき、かつ上場企業に勤務していても、フラット35の審査を必ず通過するとは限りません。
その理由は、フラット35の審査では民間金融機関の住宅ローンに比べ物件の価値を重視するからです。省エネルギー性・耐震性などへ適合した質の高い住宅であるかも審査基準です。
フラット35の審査は、年収や勤続年数など利用者に対する条件が民間金融機関よりも厳しくありません。その代わりに物件の価値を重視しています。
フラット35の審査をクリアするためには事故情報が削除されているかが非常に重要となるため、時効の援用をしたことがある人は審査を申請する前に信用情報機関へ情報開示を依頼してください。
フラット35の審査に関係する機関は、日本信用情報機構(JICC)と全国銀行個人信用情報センター(KSC)の2つです。それぞれの開示請求方法をしっかりとチェックしておきましょう。
インターネット・郵送・窓口といった3つの方法で情報開示の依頼ができます。どれを利用するかで手数料と支払い方法が異なるので、自分に合ったものを選びましょう。インターネットで依頼する場合はクレジットカード払いで手数料が1,000円(税込)。郵送の場合も手数料は1,000円(税込)ですが、クレジットカード払いだけでなく定額小為替も使えます。
開示請求ではクレジット情報・申し込み情報・利用記録・参考情報が確認可能です。事故情報が残っている場合は異動記録が残されます。なお、すでに事故情報が削除されていた場合であっても、開示請求時に発生した手数料は返還されません。
インターネットまたは郵送で信用情報の確認が可能です。インターネットで本人開示を行う場合、スマートフォン・PCからマイナンバーカード・写真付き本人確認書類で本人確認をします。手数料の1,000円(税不明)はクレジットカード・PayPay・キャリア決済で支払うことが可能です。
なお、全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、地方銀行やネット銀行、メガバンクが情報登録を行っています。金融機関での借入やキャッシングを時効援用した際には、こちらで事故情報が削除されているか確認しましょう。
代表弁護士:田中 健太郎 先生
法律相談件数が20,000件を超える実績(2023年8月時点)がある東京スカイ法律事務所では、【借金問題の相談無料】という相談者にとって非常に助かるサービスを提供しています。
東京に居を構える弁護士事務所ですが、地方からの相談にも対応しており誰からの相談にも真摯に応えてくれる頼れる弁護士事務所となります。
借金相談無料
土日相談可
電話相談可
メール相談可
所属弁護士会 | 第一東京弁護士会 |
---|---|
所在地 | 東京都中央区京橋二丁目12-9 ACN京橋ビル601 |
営業時間 | 9:00~21:00 |
連絡先TEL | 0120-0505-90 |
借金の返済義務を無くすことができる手続き、時効の援用についてまとめているカテゴリーです。
貸主対応や失敗のリスクなど、時効の援用につきまとう不安を回避できる相談先を紹介。
借金の種類ごとに、未払い・滞納を放置するとどうなるか、どのくらいで時効になるか、解説しています。
時効の援用手続きには、大まかに分けて以下のような3つの種類があります。それぞれ詳しくまとめてみました。
債権回収会社とは何なのか、督促状などが送られてきた場合どう対応すべきか、まとめてみました。