~消滅時効の援用で失敗しないために知っておきたいこと~
このページでは、借金の保証人が複数いる場合に考えなければならない「分別の利益」について解説しています。
分別の利益を端的に表現すれば「複数の保証人はそれぞれ等しい割合で借金を負担し合う」という風に考えることができます。
例えば債務者Aに100万円の借金があるとして、その保証人にBとCという2名の人物がいたとします。そしてAが返済困難な状況になって保証人が返済を肩代わりしなくてはならなくなった場合、原則としてBとCは50万円ずつを負担し合うという仕組みです。
分別の利益とは、このように複数の保証人がいるケースで、個々の保証人が負うべき責任の範囲が限定されることを意味しています。
なお、特別な話し合いなどによって全員が納得している場合、Bが70万円を返済し、Cが30万円のみを返済するといった分担割合を選択することも可能です。
分別の利益によって責任の範囲が限定されるのは「保証人」だけであり、「連帯保証人」に対しては分別の利益が認められない点に注意してください。
連帯保証人は債務者と同額の返済を行わなければならず、つまり残債の全額を負担する責任と義務を負います。
そもそも連帯保証人とは?連帯保証人は従来の保証人とは、意味や責任が異なります。
前述したように、例えば債務者Aに100万円の残債がある中で返済困難になり、保証人としてBとCがいる場合、分別の利益によってBとCはそれぞれ50万円ずつを負担します。
債務者Dに100万円の残債があるとして、連帯保証人と保証人がそれぞれ1名ずついた場合、債権者は連帯保証人Eに100万円の全額を請求できます。しかしEが同様に返済能力を有していなかった場合、改めて保証人Fが返済義務を負いますが、その場合は分別の利益によって50万円しか支払う必要がありません。
2018年の秋、日本学生支援機構が奨学金の返済を債務者や連帯保証人に代わって保証人に請求する際、本来であれば分別の利益によって半分しか支払い義務のない保証人から、全額の支払いを受けていたという問題が報道されました。
※参考元:朝日新聞デジタル|奨学金、保証人の義務「半額」なのに…説明せず全額請求(https://www.asahi.com/articles/ASLBY56YWLBYUUPI003.html?iref=pc_extlink)
日本学生支援機構ではそもそも奨学金を申し込む場合、学生本人を債務者、その両親のうち1名を連帯保証人とし、さらに4親等以内の親族1名を保証人として求めます。
つまり連帯保証人と保証人がそれぞれ1名ずついることになり、保証人は奨学金の50%(半額)を負担する義務を負います。
保証人に分別の利益があっても、保証人の意思で全額返済を行うことは可能です。また「全額を請求する」という行為自体も違法ではないとされました。しかしそもそも「分別の利益」という言葉や仕組みを知らない人が多い中、日本学生支援機構が分別の利益について説明しないまま保証人に全額請求をしていたことについて、違法ではないものの社会的に問題があるとされ、より丁寧な対応や説明が大切だと指摘されています。
奨学金は滞納するとリスクが大きくなります。速やかに減給や猶予を申し出る方が良いでしょう。
代表弁護士:田中 健太郎 先生
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