~消滅時効の援用で失敗しないために知っておきたいこと~
借金には時効がある!
法律で決められた時効期間をすぎれば、「時効の援用」という手続きをすることで、借金の返済義務をなくすことができます。「時効の援用」とは時効の完成によって、利益を得る人(債務者)が、時効の完成を主張することです。手続きについてある程度の知識は必要ですが、最近は検索すればすぐに情報が手に入りますし、手続きをすべて代行してくれる機関もあります。古い借金の返済に困っている方は、ぜひ時効の援用手続きを検討してみてはいかがでしょうか。
最近では、大学へ進学する半数以上の人が奨学金を借りているとも言われる一方で、奨学金を滞納する人が急増しています。
「安定した仕事に就けず返す余裕がない」「就職してもリストラや倒産に遭い、職を失った」という人が増加しているからで、2000年以降続いた経済不況が原因とされています。
ここでは、時効の援用で奨学金の返済を解決できるかについてまとめました。
奨学金の未払いが続いてしまった場合、どのように対処するのが適切か、ぜひ参考にしてみてください。
奨学金も通常の借金と同じく、一定期間返済しないと時効が発生します。ただし、消費者金融からの借金やカードローンなどの貸金の時効が5年なのに対し、奨学金の時効は10年です。
これは、奨学金を貸与する「日本学生支援機構」が営利を目的として貸付を行う法人ではないからです。
奨学金には、返済を滞納した場合に一括で返済を請求されてしまう「利益喪失」の特約がほぼありません。そのため、返済期日ごとの分割された代金ごとに時効が進行します。
つまり、最後の返済から10年が経過しても時効が成立するのは最後の返済日分の支払い分のみで、それ以降の支払いに関してはまだ時効が成立していないことになるのです。
奨学金を9ヶ月以上滞納している場合、日本学生支援機構は借主に対して一括返還を求めてきます。もしもその一括返還に応じなかった場合、裁判所に申し立てを行うでしょう。
裁判所の支払い督促が届いたら、期限までに異議を申し立てないと強制執行が行われます。給料や預金口座を押さえられてしまうため注意が必要です。
巨額の奨学金が滞納されている現状を受け、奨学金事業を運営する日本学生支援機構は、いっそう滞納金の回収に力を入れるようになりました。
債権回収会社に委託して、延滞者に対して一般のクレジットカードやローン会社のように督促を行うようになったのです。
また、信用情報機関に加盟し、奨学金を滞納した人の情報を金融事故として登録するようになりました。3か月以上未払いが続いてしまうと、信用情報に傷がついてしまいます。
いわゆる「ブラックリスト」に載ってしまい、完済してから最低5年間は新たにローンを組めなかったり、クレジットカードを作れなくなったりするため注意が必要です。
日本学生支援機構は、奨学金の返済に困っている人々のために救済制度をつくりました。期限の猶予や一定期間の返済額の減額などです。
もちろん、この先どうしても支払えそうにないという場合には、自己破産や自己再生といった方法で解決できる可能性もあります。
前述したように、奨学金は借りたすべての金額が一度に時効を迎えるわけではありません。よって、時効の援用は不可能ではないにしろ通常の借金よりも複雑で難しくなります。支払いに悩んだ際には自分だけで解決しようとせず、一度法律に詳しい専門家へ相談しましょう。
特集!時効の援用でまず相談したい頼れる専門機関リスト
弁護士費用 1社3万9,800円(※1)
弁護士費用 1社または2社の場合 11万円
※価格は、2021年10月の情報です。
※1.公式HPで価格の記載を確認できませんでした。