~消滅時効の援用で失敗しないために知っておきたいこと~
借金は100万円からやばいと考えましょう。「根拠は?」「大金だがまだなんとかなるのでは?」と100万円という借金への感じ方は人それぞれです。ただ、一般的には「借金は100万円からやばい」と呼ばれる理由があります。理由とともに、リスクや対処法について解説します。
借金は100万円からやばいといわれるのは、3つの理由があるからです。具体的にどんな理由なのでしょうか?
100万円を貸金業者から借りたとします。貸金業者から借金をすると、金利による利息がかかるため、単純に借りた金額と同額を返済すればいいわけではありません。利息の計算方法は【借り入れた金額(元本)×金利(年利)÷365日×借入日数(返済日数)=利息】で導き出します。
利息は法律によって制限があり、上限は100万円以上だと実質年率15.0%です。年率15.0%で、100万円を3年かけて返済する場合、計算式に当てはめると月々34,665円。利息も含めて1,247.934円です。利息は3年間で約25万円近く支払わなければなりません。
※参照元:日本貸金業協会
(https://www.j-fsa.or.jp/association/money_lending/law/maximum_interest_rate.php)
100万円の借金返済を続ける場合、返済期間は長いです。たとえば、1ヶ月3万円分割で支払うなら約3年7ヶ月はかかります。5万円ずつ支払っても約2年はかかる計算です。
返済期間を短くすれば、月々の返済額は大きくなります。生活費を考えると、月々3万円~5万円が返済のために消えるわけですから負担は大きいです。生活レベルを落としたくなくても、給与に余裕がなければなにかを削らなければなりません。意地になればなるほど、精神的な負担は大きくなります。
100万円は一般的に大金です。しかし借金が累積して100万円に到達すると、金銭感覚がぶれてしまう方がいます。悪い意味で開き直ってしまうのです。新しく借金をしても「100万円も借りているのだから今さら考えてもしかたない」となってしまいます。
返済する意思はありますがむずかしく考えなくなって、漠然と「コツコツ時間をかけて返済すればいい」となるのです。借金へのハードルが弱くなると、下手をすれば坂道を転がるように金額がふくれあがってしまい、気づいたときには自力で解決できない状態にまで追い込まれます。
借金100万円は大台ですが、少額でも油断はできません。借入金額が少なくても、ちょっとしたきっかけで、一気に100万円までふくれてしまう方がいます。その考えられる例をご紹介します。
100万円以下でも借金のハードルが下がっている方は危険です。最初は貸金業者から数万円程度の借金をしたとします。結果、スムーズに返済できれば借金に対するハードルが下がるのはしかたないことです。悪い成功体験になり「これぐらいならまだ大丈夫」と借金を繰り返します。
生活が厳しくても「借金ならまとまったお金が手に入る。返済に困っても他の貸金業者から借りればいい」となれば泥沼です。借金でピンチをクリアした体験を何度もすれば、返済への意識が薄まるだけではなく、依存する結果になります。
「借金も数万円程度の少額だから大丈夫」と最初は思っていても、徐々に大きな金額になり最終的に手に負えない負債にふくれ上がってしまうのです。借金に慣れていると感じたら、スマートに利用していたとしても油断せず状況を振り返ったほうがいいでしょう。
貸金業の登録を受けている貸金業者ではなく、闇金業者になんども借金しているなら注意が必要です。少額だとしてもちょっとしたきっかけで、危険な状況に陥りかねません。
そもそも闇金の場合、少額でも返済できなくなるリスクがあるため危険です。たとえばトイチやトゴは、法定金利を無視した超高金利という点はリスクが高すぎます。10万借りれば10日後に利息は「トイチ」で1万円、「トゴ」なら10日後に5万円の利息です。短期間で一気にふくれるとすぐに対応できなくなります。
闇金は契約をしても違法のため返済の義務はありません。その点は闇金も理解していますし、一般的な貸金業者のような取り立てで終わらないリスクもあるのです。少額でも闇金に借金をするのはリスクが大きいと考えましょう。
借金の目的がギャンブルや収入と釣り合わないレベルの買い物である場合は、借金が少額でも危険です。遅かれ早かれ破綻します。家計を考えず借金までしてギャンブルや買い物をする方は、依存症になっている可能性さえあるのです。
依存症になると止めたくても止められません。収入とのバランスが崩れていても、借金をしてもギャンブルと買い物を続けてしまいます。絶対に行いたい目的のために、無理な借金を続けるわけですから少額でも関係ないのです。
借金が少額なのに完済できないのは根本的な問題を抱えていることが多いです。20万円程度なら、コツコツ支払っていけば完済できるはずです。できない理由として、収入の問題があげられます。ギリギリの生活で余裕がないなら、返済が遅くなっても当然です。
ギャンブルや買い物依存にもつながりますが、ムダな支出が多いのも借金を返済できない状況を作ります。また、返済計画がいい加減なら返済できない状況になっても不思議ではないのです。
クレジットカードを利用した際の返済方法を、リボ払いにしているなら少額でもやばい状況になりがちです。利用残高とは無関係に、毎月一定ずつ支払えばいいだけなので、上手に利用すれば負担はかかりません。現実的な返済額を設定して、支払い続けられれば問題はないのです。
ただ、リボ払いだからこそ完済できないケースがあります。リボ払いのリスクは、元本に対する利息の発生です。利用残高が増えると、利息負担も大きくなります。結果、利息だけを払い続けて元本の返済ができなくなります。最初は「少額だし」「月々の返済額が楽」という安易な理由で利用すると、借金が減らない状況になるのです。
借金がやばい金額になっても「大丈夫だろう」と楽観的にとらえると最悪の結果を招きます。楽観的になるのは、甘く見ているか、最悪の結果が具体的にどんな状況なのか知らないからかもしれません。借金がやばい金額になったときなにが起きるのか解説します。
借金がふくれると、返済はむずかしくなります。結果、約束の期日まで返済できないと延滞です。延滞すれば遅延損害金が発生します。遅延損害金は利息とは元本や利息とは異なる支払うお金です。結果、ますます返済がむずかしくなります。
一度目は遅延損害金の発生で終わるかもしれません。何度も延滞を続けると、未払金の一括返済の請求を求められる危険性があります。債権者の理不尽な仕打ちではなく【期限の利益を損失】という権利です。
期限の利益を損失した判断は、貸金業者が提示した条件に委ねられます。一般的に契約時に記載されていますが、2度続けたり、約3ヶ月延滞をしたりすれば、期限の利益を損失したと判断され一括請求を求められることが多いのです。分割でも返済できない状態で、一括請求を受ければ返済できません。
借金を返済できず延滞し、期限の利益を損失したため「一括請求を求められるのが怖いからどうにかしなければならない」「一般の貸金業者から新しく借りられない」となった結果、違法な貸金業者である闇金に助けを求める方もいます。
闇金以外にもクレジットカードの現金化というグレーゾーンの方法で返済を考える方もいるでしょう。クレジットカードの現金化とは、業者が指定した商品を購入後、特典の名目で現金を受け取る行為が当てはまります。違法ではないですが、クレジットカード会社は規約違反にしていることがほとんどです。闇金で返済できなければ、違法行為にもなるような厳しい取り立てと返済の泥沼にはまる危険性が高まるだけです。
クレジットカードの現金化は、カード会社に発覚すると強制解約になりますし、ショッピング利用分の返済を求められます。
債権者から訴訟を起こされたら万事休すです。返済の延滞が続き、一括返済を求められても支払わなければ債権者から訴訟を起こされます。裁判所経由の訴状が届き、出廷しないと即敗訴です。財産は強制的に差し押さえられることになります。
借金を返済していないわけですから、裁判所に出ても敗訴する可能性は高いです。訴訟を起こされるような状況は、よほどの事情がないと差し押さえは止む終えない状況でしょう。
借金が100万レベルになり、やばい金額で返済がむずかしいなら適切な対処をしなければなりません。
債権者に取引履歴の開示請求をして、借入状況や支出をチェックしましょう。借金記録と契約内容を確認できて、状況を把握できます。遅延損害金が発生しているか、金利率や金利タイプもチェックできます。状況確認から支払総額を確認後、毎月返済できる金額はどの程度かチェックしてください。ムダな支出があるなら削って、返済額の増加も検討しましょう。返済額を増やせば返済期間が短くなり、利息も軽くなるからです。
臨時返済を活用するのもおすすめです。毎月の返済とは別に、追加に返済する方法で、利用すれば元金を減らせるため返済期間を短縮できます。ボーナスをもらえる仕事についているなら上手に利用してみてください。
金利の高さで利息がしんどいと感じたら、低金利の貸金業者への借り換えという方法もあります。特に複数の貸金業者から借り入れている場合なら、おまとめローンも有効です。借入先が複数なら状況を正確に把握できません。おまとめローンで一本化できれば、管理もしやすくなります。
100万円なら、家族に助けてもらうのも一つの方法です。100万円なら、親族や友人に相談すれば助けてくれる可能性があります。親族なら利息なしでの返却を認めらる可能性はありますし、友人も闇金のような無茶な利息は取らないでしょう。ただし、強引に借りようとするとトラブルになり、人間関係が破綻して縁を切られる覚悟はしておいたほうがいいでしょう。
自力での返済が困難だと感じたら専門家に債務整理を相談したほうがいいです。法的に借金を減らしたり免除したりする手続きです。債権者と交渉して、借金の減額や長期分割が期待できます。自己破産や任意整理などで知られている手続きです。ただし、債務整理をすればブラックリストに登録されて、一定期間のローンを組めない、クレジットカードを使えないなどのペナルティがあります。その点も含めて検討してみてください。
借金の返済を長期滞納しているなら、時効の援用手続きをするのも手段のひとつです。借金にも時効があり、時効の援用手続きをすることで時効の効力が生まれます。時効の援用手続きのためには、法律上、借金の消滅時効の権利を行使できる条件を満たしているかどうかがポイントです。
代表弁護士:田中 健太郎 先生
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